倉敷演劇鑑賞会 2022年1・2月例会
井上ひさし 作 鵜山 仁 演出
こまつ座第140回公演『雪やこんこん』
「井上ひさし全芝居・その四」所収・新潮社刊
— 昭和二十八年暮れ、中村梅子一座の宝石のような二日間 —
かつて庶民の希望であり、羨望の的だった「大衆演劇」
移り変わる時代に翻弄され衰退する一座。
その楽屋から漏れる光と影・・・そして夢。
人情・縁・・・人生。数々の名台詞が、舞い散る雪のように降り積もる。
女座長・中村梅子一座は、人気の老舗大衆演劇一座だった。しかし時代はまさに戦後の娯楽ブーム。
役者は次々と去り、わずかに残った役者にも不平不満が渦を巻く。
問題山積みの一座を救おうと、座長が運命をかけて演じた一世一代の名演技。
その姿にすっかり騙され、うっとり惚れた人々の運命はいかに?
井上ひさしが昭和に手掛けた昭和庶民伝三部作、激動の時代に翻弄された愛しき庶民の姿を通して、
変わらない人間のたくましさを紡ぐ。